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唐沢としみの発言

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■平成24年第2回定例会6月14日(木)本会議での発言

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[ 平成24年 6月 定例会−06月14日-02号 ]

◆十三番(唐沢としみ 議員) 質問通告に基づき、質問いたします。
 まず、新たな基本構想について質問します。
 現在、基本構想審議会では、さまざまな立場の人が多様な意見を交わしております。また、テーマ別の車座集会や無作為抽出による区民意見の聴取など、新しい区民参加の試みも始まっています。区民の総意を集めて、新しい世田谷の未来像、将来像を描く取り組みに、大いにこれには期待しております。
 ところが、価値観が多様化した今日、多くの異なる意見を一つの方向に集約していくことは大変困難な作業だと思います。そのためには、これまで以上の創意工夫で区民にわかりやすく情報提供していくことが大切であると思います。また、幾ら議論を重ねても、最後まで考え方が異なることもあり、区政のリーダーとしての区長のリーダーシップも必要です。
 そこでお伺いいたします。区制百周年を見据えた新しい基本構想の策定に向けた区長の決意、区の将来像をどう描いているのかお聞きしたいと思います。
 次に、世田谷らしい町並みについて質問します。
 世田谷は、これまで東京南西部の自然環境に恵まれた緑あふれる住宅都市として発展してきました。近年では、農地の宅地化など緑の減少が進むばかりでなく、宅地の細分化が進むなど、世田谷らしい町並みが失われつつあり、風景が変わってきており、特に最近では、経済優先の小泉路線で規制緩和が進められたこともあり、例えば、路地状の敷地の長屋問題など、これまでに見られなかったような深刻な事態が起こっていることは周知のとおりです。
 区も、みどり33、これを目標に多様な施策を展開し、あらゆる努力を積み重ねてきていることは承知しております。しかし、将来起こり得る課題として私が特に心配しているのは、増税問題です。国会で審議が行われておりますこの法案は、一般的には消費税の増税が大きな争点となっているのですが、私は、そのほかにも区民にとって重要なさまざまな案件が含まれているととらえています。中でも相続税の増税は、世田谷のまちづくりにとって大きな影響があると思います。
 先日の委員会でみどりの資源調査の報告がありましたが、緑が減少していく第一の原因は相続税にあるのではないでしょうか。農地や樹林地の所有者に相続が発生すると、納税のために土地を売却しなければならなくなるからであります。売却された農地や樹林地の多くは、マンションやミニ開発に向けられるわけです。まずは国に都市の緑の重要性を引き続き強く訴えていくことが必要だと思います。それをお願いいたします。
 私が今回の相続税の増税を心配するのは、相続税の問題がこれまでの農地や樹林地の問題をはるかに超える大きな問題になりかねないと考えるからです。これまでの基礎控除が引き下げられ、さらに税率が引き上げられます。数%とはいえ、世田谷にとっては大きな影響があると考えられます。戸建ての住宅が相続のためにミニ開発され、農地も売却されていったら、世田谷らしい町並みはすっかり変わってしまうということです。
 そこでお伺いいたします。今回の増税がもたらす影響を予測する上で、みどりの資源調査や土地利用現況調査のデータを活用して土地の細分化の状況を正確に把握し、その影響を検証する必要があります。区は、相続による土地の細分化が進む状況についてどのようにとらえているのかお聞きいたします。
 また、一たん姿を変えてしまうと、なかなかもとに戻すことはできません。常に先を見据えたまちづくりを進めていくことが必要ではないでしょうか。問題が起こってから対策を考えるのではなく、さまざまな事態を想定してあらかじめ準備をしておくことが重要です。
 これまで災害を想定した都市復興プログラムなどに積極的に取り組んできたことは評価いたしますが、災害対策以外にも、世田谷らしい町並みを保存していく、魅力を高めていくような予防型のまちづくりがこれからは必要ではないかと考えます。土地の細分化による影響を予測し、対策を講じることが必要ではないかと考えますが、区の認識をお聞かせください。
 さらには、世田谷らしい町並みの保全として、そのためにも緑は欠くことのできない重要な要素です。とりわけ国分寺崖線の緑、都市農地や屋敷林などの樹林地は、世田谷らしい風景や町並みを形成する重要な緑と言えます。平成二十三年度に実施されたみどりの現況調査では、区内の土地の七割を占める民有地の緑の中でも、大規模な農地や樹林地などの減少が大きいという報告を受けております。
 区全体の緑を減らさないためにも、世田谷らしい緑豊かな町並みを保存するためにも、骨格となる民有地の緑を守る方向で区として早目に対策を講じるべきと考えますが、区のご見解をお聞かせください。
 最後に、地域行政の見直しについて質問します。
 先日、委員会に地域行政制度の検討状況の報告がされました。まず、防災を切り口にしてこれまで以上に積極的に区民との協働を推進しようという基本姿勢を評価いたします。ぜひ、より多くの区民が区の考えを理解できるように、計画の初期段階から積極的な広報活動を行うよう要望いたします。また、区政の根幹をなす重要課題ということもあり、ここはしっかりと腰を据えて慎重に検討してほしいことを求めておきます。
 今回の検討は、総合支所も中心メンバーとなって進められていると聞いておりますが、私は、現場をよく知る総合支所の意見を最大限に尊重することが大切だと考えます。また私は、今後の地域行政制度を考えるためには、世田谷区が提唱し、実践してきた地域行政制度そのものを、いま一度原点に戻って、目指すべき姿を確認することが重要と考えております。
 かつて、地域行政をめぐって、打てば響くまちづくり、身近な課題は身近なところで解決、窓口の近接性と総合性など、さまざまなコンセプトが議論されました。これらの考え方は今でも重要な必要なものばかりであります。
 そこでお伺いいたします。
 現状の地域行政制度の課題をどのように認識し、今後どのように検討を進めるべきと考えているのか。
 また、まちづくり機能の強化や地域コミュニティーの活性化に向けた方策が必要だと考えますが、区のお考えをお聞きいたします。
 以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
   〔保坂区長登壇〕

◎保坂 区長 唐沢議員にお答えします。
基本構想の策定をめぐる議論につきましては、区制百周年を迎える二十年後の世田谷区を一つの指標にしながら、基本構想審議会、そして区民参加のワークショップ、そして庁内のみずから手を挙げた若手職員による研究会、ここはワールドカフェ方式などを通したイメージ出しもやっておりますけれども、多様な形で議論をいただき、その過程についても大切にしていきたいと考えています。また、触れられているように、審議会の部会の議論も活発に続いておりますので、現在の私の考えを述べさせていただきたいと思います。
私たちは、経済成長と物質的な豊かさの限界を知ります。三月十一日の東日本大震災と、そして続く原発事故、大きな区切り、大きなターニングポイントになったかと思います。旧来の指標では、いわゆる経済成長、そういったところで日本社会の未来に明るさはありませんが、従来の幸福の物差しを取り出して、取りかえてみる必要があるのではないかと考えています。例えば、近隣とのコミュニティーの結びつきの深さ、そして相互扶助のシステムが生きる地域をこの時代に合わせて再び再生させてつくり出したときに、心の充実と安らぎ、そして次の世代が育っていく環境の中で元気が生まれてくるのではないかと考えています。新たな基本構想の策定に向けては、これまでの世田谷区の歴史、伝統、文化を引き継いでいくとともに、新たな時代の変化に応じた、区民の皆さんに共感、そして参加の回路がある将来像をつくることが求められていると考えています。
この二十年後を見据えた持続可能な自治体をつくっていくためには、区民がその自治の担い手としてのそれぞれの可能な範囲でのいわば公共の部分を担い、行政と協働しながら世田谷区の日常、そして地域を支えていくことが重要なことだと考えております。区民とともにつくる地域社会の将来像を基本構想の柱にしたいというふうに考えています。
あえて言えば、これまでの戦後六十七年たったでしょうか、一九四五年の大きな区切り、そして、明治維新から数えてみると間もなく百五十年になんなんとします。私たちがこれまで使ってきた幸福の物差し、社会にとって進歩とは何か、あるいは前進とは何か、ここの部分をもう一度原点に戻って振り返ってみる必要があると思います。
孤独死や孤立死、あるいは児童虐待、あるいは開発と環境の調和、そして、先ほど触れました原発及びエネルギー転換の問題など、昨年の三月十一日が私たちに問いかけている大きな課題がございます。これに私自身もしっかりリーダーシップを示しながら、区民とともに次の時代を生きる新しい地域の姿、社会の姿を世田谷区から発信してまいりたいと思います。

◎春日 都市整備部長 私からは、土地の細分化の進む状況に関しまして、二点のご質問にお答えいたします。
初めに、土地細分化が進む状況についてでございます。
区では五年に一度土地利用現況調査を実施しております。この調査データから独立住宅の平均敷地面積の推移を見てみますと、平成八年度は百八十四平方メートル、十年後の平成十八年には百六十五平方メートル、そして平成二十三年度では百五十八平方メートルとなっており、土地の細分化は年々進行して、十五年間で一五%の減少となっております。一方で、昨年度実施したみどりの資源調査の結果、みどり率は平成十八年度から〇・九六ポイント減少しました。主な減少の要因は、住宅用地増加に伴う民有地の緑の減少であると考えられます。専用独立住宅の敷地規模は小規模化する傾向にあることから、土地の細分化が進み、屋敷林などのボリュームのある樹林地や緑の多い大規模な敷地が少なくなり、緑被率を下げているものと考えられます。
続きまして、そうした土地細分化への対応についてでございます。
区では、土地の細分化に歯どめをかけるため、平成十六年度に低層住居専用地域に敷地面積の最低限度を定めました。また、そのほかにも開発の基準に関する条例、小規模宅地開発指導要綱、地区計画などで敷地面積の最低限度を定めております。こうした対策により一定程度の効果があらわれていると考えておりますが、お話にございましたように、相続に伴ってさらに土地の細分化が進み、落ちついた町並みが変化することや住環境が悪化することなどが考えられます。
このような課題に対応する予防策として、敷地面積の最低限度を定める地域を拡大することなどが挙げられますが、一方で、この制限により相続の際に土地の一部を処分できず、住み続けられなくなるといった面も考慮しなければならないと考えております。今後、さまざまな課題を視野に入れつつ、敷地面積の最低限度の拡大や強化について検証、検討してまいります。
以上でございます。

◎工藤 みどりとみず政策担当部長 緑の保全についてご質問いただきました。お答えいたします。
昨年度のみどりの現況調査では、公共の緑の増加に対し、民有地の緑の減少幅は大きく、区全体のみどり率が減少する結果となりました。世田谷区らしい緑豊かな町並みを維持するためには、議員ご指摘のとおり、民有地の緑を可能な限り保全していくことが急務と言えます。中でも国分寺崖線沿いの緑、農地や屋敷林は世田谷の風景の象徴的な存在であり、区といたしましても、国分寺崖線保全整備方針、農地整備方針を策定して保全に取り組むとともに、公園緑地としての取得も積極的に進めてまいりました。
しかしながら、区の用地取得には限界がございます。土地所有者の方に緑を残していただくために、特別緑地保全地区や市民緑地などの制度を積極的に働きかけるなど、土地所有者の負担軽減を図るとともに、保存樹木制度などにより緑の維持管理を積極的に進めてまいります。また、樹林地や屋敷林を保全される場合に相続税や固定資産税の減免措置を受けられる範囲を拡充するよう、今後も国や東京都に引き続き働きかけてまいります。
以上でございます。

◎宮崎 政策経営部長 私からは、地域行政の見直しについてご答弁申し上げます。
今議員からもこの地域行政の関係につきまして、まちづくり機能の強化、地域コミュニティー活性化に向けた方策が必要という観点での見直しを進めるべきだというご主張がございました。私どももそう思っております。
その上で、東日本大震災を契機といたしまして、地区防災の観点からも日ごろから地域で連携、協力し合える環境をつくることが重要視されているなど、まちづくり機能の強化や、その実現のための日ごろの取り組みとして地域コミュニティーの活性化が地域行政制度の課題であると認識しております。
地域行政の見直しにおきましては、災害時の区民相互の協力、救援体制の強化、拡大を図るために、地区におけます防災の拠点としての位置づけを明確にし、また、あんしんすこやかセンターと連携して取り組む見守り事業の点検、見直しなど、まちづくり機能の強化策を検討しております。
その実践に当たりましては、日常から区民と行政、区民相互のかかわりを強めることが必要であり、地区におけます祭り等は、ひいては地域、地区のコミュニティーにおけるきずなを深めるために効果的な取り組みと思っております。
このような視点に立ちまして、今後、地域行政制度の検討におきましては、区民からのご意見、議会でのご議論をいただきながら見直し案の検討を進めてまいります。
以上です。

◆十三番(唐沢としみ 議員) それぞれのご答弁をいただきました。ありがとうございます。
区長がかわってから、いろいろ地域の集会、試みがなされて、本当に今までかかわらなかった方が参加するということで、新しい試みも始まっております。それはさらにいろいろな形に広げて、自由な集会とか、テーマ的な集会で成果を上げてもらいたいけれども、言えることは、やっぱり情報をもっとわかりやすく通達すると、連絡することによって、さらにその参加する方がいろいろと豊富な材料や、また共通な理解の中で世田谷を自分たちでつくろうと、考えようという、そういう例がありますので、そのあたりの提供についてはさらにきめ細かく必要に応じた提供を出してほしいと思います。そのあたりについてもしお考えがあれば。

◎宮崎 政策経営部長 現在、私どものほうで今検討を進めていますけれども、この件につきましては、当初私どもの目標といたしまして、九月の段階で一応一定の案を示したいと思っています。
その後、区民の方ともその後、先般の区民との意見交換会等も初めといたしまして、さまざまに基本構想の策定におきましても区民からのご意見等もいただける機会があると思っています。そういう中でも、私どものほうの意見も申し上げまして、また区民の方からも意見をいただき、またそれを議会のほうにもご報告しながら一定の成案を得ていきたいと思っています。
以上です。

◆十三番(唐沢としみ 議員) そうしたことによって、一人一人の区民の意識も高まり、また、地域のきずなや区民と職員とのきずなということでもって変わってくると思います。そうしたことを期待しながら、すばらしい自分たちの町をつくるという、そういう視点で努力していきたいし、皆さんの努力を一層期待したいと思います。
以上で終わります。

○畠山晋一 議長 以上で唐沢としみ議員の質問は終わりました。

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