議会報告

唐沢としみの発言

[ 平成23年 3月 定例会−02月25日-03号 ]

◆三十六番(唐沢としみ 議員) 質問通告に基づき、順次質問いたします。
 既にご勇退を表明されている熊本区長は、区政の停滞は許されないとの考えに立ち、平成二十三年度予算案を骨格予算ではなく、本格的な予算案として編成されました。私も区民の暮らしを支える区政が停滞することがあってはならないと考えております。したがって、新しい区長や議会に向けて、今こそ新しい区政が目指すべき方向性を区民とともにしっかりと見据え、これまで以上に、これからの時代をリードするような新しい区政を築く意思を示すべきであると思います。
 そうした観点から、このたび区が政策点検の一環として明らかにした政策課題を中心に質問してまいります。
 まず、当面の政策課題を示した趣旨と意図について質問いたします。
 このたびの政策点検は、言うまでもなく、極めて厳しい区財政を点検し、持続可能な自治体経営とこれを支える強固な財政基盤を構築することを目的としておりました。簡単にいえば、まさに無駄を削って支出を切り詰めるための点検だったわけであります。
 区は点検結果をこのたびの予算の編成に生かしたと説明しており、確かに事業の効率化や不要不急の事業の先送りなど、一定の成果があったということは言えるかもしれません。しかし、議会の中でも指摘されたとおり、議会でもチェックを行っておりますし、そして監査委員の監査もあります。区の事務事業の点検だけでは、区政のあり方を変え、新しい区政の姿を描くといった、より本質的な議論にはなかなかつながらないのではないかと私は思います。
 私は、財政危機こそ区民の力を区政に生かす絶好のチャンスである、点検を通して区民との協働を一層進め、区民の発想を生かした新しい区政を形づくるべきであると繰り返し主張してまいりました。区は、こうした観点に立って、区民の理解を求め、区民の知恵と力を引き出す努力を続けるべきであると思います。
 私は、このたび議会に報告された点検結果を見たとき、大変意を強くいたしました。そこには、千七百四十五事業の点検結果だけではなく、当面の政策課題と称して、これからの区政を築いていく重要な課題が列挙されていたからであります。
 私は、区が単なるコスト削減ではなく、区政の根幹となる各領域の政策課題に目を向けたことを評価いたします。同時に、これからの政策課題を区民とともに解決していく具体的な取り組みを強く求めるものであります。
 そこでまず、政策点検方針の結果報告に当面の政策課題を新たに加えた趣旨と意図についてお伺いしておきます。
 次に、自治権の拡充をどう進めるかを質問いたします。
 当面の政策課題の最初の項目には自治権の拡充が挙げられております。言うまでもなく、区民に最も身近な基礎的自治体が、権限の上でも財政的にも自主性を向上させて、区民の期待にこたえる力量を高めることが長年の課題であります。しかし、国の動きはますます不透明となり、都との関係でも都区制度改革の検討の中で大幅な前進が見込める状況にはなく、逼迫する財政状況も重なって、区の自治権拡充の動きは先行き一層見えにくくなっていると思うのであります。
 私はこうしたときこそ自治権の拡充がなぜ区民生活の向上に役立つかをわかりやく区民に示し、区民とともに自治権拡充をかち取る体制づくりを改めて強力に進めるべきと思います。
 現在、区の内部に自治推進委員会を設け、職員レベルでの検討を進められているようですが、もっと積極的に区民に働きかけるべきではないでしょうか。自治権の拡充をどのように進めようとしているのか、お考えをお聞きしておきます。
 次に、新しい基本構想、基本計画づくりでの区民との協働の展望について質問いたします。
 私は、今回の政策点検の結果の中に、例示とはいえ、新しい基本構想という言葉がはっきりと示されたことに少し疑問を感じました。
 基本構想は、区政の根幹であり、これこそ、新しい区長が議会や区民との広範な議論を通して改定すべきかどうかということを決定すべきものだと考えたからであります。幾ら現在の基本構想が策定後十六年を経たとはいえ、現段階で基本構想の改定について一定の判断をする時期に来ていると判断することは、いささか勇み足ではないかとさえ感じております。
 しかし、考えてみると、区が基本構想の改定に言及し、区民に示したことは、区民に対して新しい区政の参画を促すきっかけをつくったととらえれば、これは確かに意義があるかもしれません。私は繰り返し、区の将来像は区民とともに決めるべきであり、そのためにも身近な地域でのボトムアップによる計画づくりが欠かせないと申し上げてきました。
 したがって、私は、今後、基本構想、基本計画の改定があるのであれば、今こそその文字どおり区民の知恵を集めながら、町の中から沸き上がるような動きというものをつくっていく、そして策定を進めていかなければならないと考えるものであります。このことは普遍的な、そして区政の基本ルールでもあり、これまで長い時間をかけて築いてきた世田谷区の財産だと思っております。
 そこでお伺いいたします。今後、新しい基本構想、基本計画を策定するに当たって、区民との協働のあり方についてどのように展望しているのか、区の見解をお聞かせいただきたいと思います。
 次に、新しい地域行政も重要な政策課題ではないかという観点から、これからの地域行政のあり方について質問いたします。
 今回の政策課題では、地域行政はほとんど触れられておりません。これは区が地域行政については大きな課題を意識していないということを示すと思いますが、本当にそれでいいのでしょうか。安全安心の取り組みや、少子・高齢社会への対応、町の活性化、あるいは先日の議会での私が質問した無縁社会の問題など、区民生活に直結する課題は、区民の力なくしては解決できない課題ばかりであります。
 幾ら努力しても追いつかない保育需要にこたえようとするとき、ただ保育園を増設するだけではなく、地域の中で、みんなで子育て中の母親や父親を温かく支え、子どもたちが温かく見守られる優しいまちづくりが進まなければ、東京で一番子育てしやすいまちは決して実現できないものと思います。
 まちづくりセンターは、ようやく高齢者の見守りなどにもまた取り組み始めました。そしてまた、子育て支援の機能も持つなど、まだまだ多くの課題があるのでないでしょうか。
 私は、新しい時代に即した新しい地域行政を進めることも、区にとって欠かすことのできない政策課題だと考えております。いかがでしょうか、ご答弁をお願いいたします。
 以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)

◎金澤 政策経営部長 四点にわたるご質問について、順次ご答弁をさせていただこうと思います。
まず、政策点検方針の結果報告に当面の政策課題を加えた趣旨と意図というご質問でございます。
政策点検方針に基づく全事務事業の点検結果とあわせてご報告いたしました当面の政策課題は、点検結果からは直ちに読み取りにくい当面の世田谷区の政策課題について、平成二十三年度から二十六年度までの間に、それ以降の区政運営に大きな影響を及ぼすと見込まれる新たな計画等を中心に例示として抽出したものです。
その目的は、これら二つの資料をあわせてお示しすることにより、現在区が進めている施策の実情や今後想定される課題を区民の皆さんにご理解いただくとともに、新たな実施計画等の策定に向けた素材になるようにとのことからです。
平成二十四年度、二十五年度も財源不足が見込まれる中、区には持続可能な区政運営に向けて強固な財政基盤の確立を図っていく必要があり、このたびお示しした点検結果と当面の政策課題について、さまざまな観点からのご議論につなげていただければと考えております。
続きまして、自治権拡充をかち取る体制づくりにつきまして、区民への一層の積極的な働きかけをどう進めるのかというご質問にご答弁を申し上げます。
特別区における自治権の拡充は、二十三特別区民の悲願であり、世田谷区も区民の皆さんとともに地域に根差したさまざまな運動を展開し、昭和五十年には区長公選制の復活、平成十二年には特別区が基礎的自治体として位置づけられることなどの特別区制度改革を実現してまいりました。
議員お話しのとおり、引き続き分権改革を促進していくためには広範な区民の理解と支援を得ることが不可欠であるとの認識から、当面の政策課題の冒頭に自治権の拡充を挙げさせていただきました。
現在、分権改革の状況でございますが、都区制度改革では、ことし一月に開催された都区のあり方検討委員会幹事会で都区間の事務配分で検証対象とされた四百四十四項目の評価、整理が完了し、今後の進め方を都区で調整している段階でございます。また、地方分権を進める国におきましては、今通常国会に地方自治法改正法案が提出される予定となっております。
いずれにいたしましても、住民自治を基調とする世田谷区においては、区と区民が手を取り合って自治権拡充を推進していく必要があると認識しております。こうした観点からも、今後、議会はもとより、区民の機運を高めていくよう、わかりやすくきめ細かな対応を心がけてまいりたいと考えております。
続きまして、新しい基本構想、基本計画を検討するに当たっての区民との協働のあり方についてどう展望するのかというご質問にお答えを申し上げます。
現基本構想につきましては策定から十六年が経過し、それに基づく現基本計画は平成二十六年度で計画期間が終了いたします。一般的に基本構想の期間は二十年ぐらいと言われており、急速な少子・高齢化の進展、社会経済のグローバル化や経済の低迷に伴う区民生活の不安定化など時代状況の変化が著しい中で、その時代に即した基本構想の策定が求められてくるものと認識しております。
ご案内のとおり、基本構想の策定に当たりましては、地方自治法に基づき議会の議決を得ることが求められており、首長と議会とのコンセンサスをとることが前提となってまいります。
その意味するところは、住民総意で基本構想を策定するということであり、これまで区が基本構想を策定したときも、審議会等でのご議論や区民等からの意見聴取なども行ってまいりました。したがいまして、今後、区において新たな基本構想を策定していく場合には、より多くの区民の方々のご意見をいただくなどの区民参加、協働によって取り組んでいくべきものと考えております。
次に、新しい時代に即した新しい地域行政を進めることも、区民にとって欠かせない政策課題だというご質問にお答えを申し上げます。
ご案内のとおり、区では区民に身近なところで行政を行う制度として、地方分権の先取りとなる独自の地域行政制度を平成三年に創設し、地域の行政拠点として総合支所を、地域に最も身近な施設として出張所を整備し、地区まちづくりの役割をそれぞれ担ってきたものと認識しております。
また、平成十七年度の出張所改革においては、窓口サービスの効率的な運営と地区まちづくり支援の強化を一体的に取り組むため、出張所の再編や組織の再構築を行い、行政サービスの利便性向上や住民参加の促進など、地区まちづくりに対する一層の連携支援を図ってきたところです。
さらに、出張所での土曜窓口の開設や、地域の絆再生支援事業の実施、地区における支えあい活動の充実に向けたあんしんすこやかセンターとの一体化、子どもの見守り活動等を通じた地域全体での子育て支援の展開など、社会経済環境の変化や地区の状況に応じたまちづくりに取り組んでまいりました。
区の地域行政制度は、こうした区民や活動団体との協働による区民主体のまちづくりを推進していくという趣旨に立つものであり、この観点に立てば、地域行政制度には、さまざまな状況にある区民が安全安心に暮らすことのできる活気ある町の創出に寄与することが求められていると思っております。
地域行政制度は、引き続き本庁、総合支所、出張所、まちづくりセンターが一体となって、時代の変化に対応しつつ堅持されていくべきものと考えております。
以上でございます。

◆三十六番(唐沢としみ 議員) 世田谷区は、これからの時代をしっかりと全国の自治体を担っていくぐらいの力量があるのではないかという視点でどうなんだという質問をしました。この問題については、引き続き予算委員会で続けて議論していきますが、何としても区で抱えております大きな課題は、やっぱり市民がかかわって、その力をしっかり出していくということになると思います。そういううねりを起こすためにも、ぜひとも行政としてのその辺の環境をつくって頑張っていただきたいことを要望しておきます。

○川上和彦 議長 以上で唐沢としみ議員の質問は終わりました。

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