議会報告

唐沢としみの発言

[ 平成22年  6月 定例会−06月10日-02号 ]

◆三十六番(唐沢としみ 議員) 質問通告に基づき、順次質問いたします。
国は地域主権改革の基本理念として、国と地方が対等なパートナーシップに転換していくとともに、住民に最も身近な基礎的自治体を重視していくという考え方を示しております。まさに基礎的自治体の本当の力量が試される時代が訪れてきております。
私はこれまでも、世田谷区が地域主権をリードする真の先進自治体となるべきであると多岐にわたり質問や提案を続けてまいりました。本日は、その観点から質問をしてまいります。
まず、地域主権を実現するための住民自治のさらなる推進について質問いたします。
地域主権を実現するための最も重要な条件は、区民主権の確立であります。自分たちの町のことは自分たちが責任を持って決めるという区民が主人公の区政を前進させることこそが地域主権の本質であります。世田谷区はこれまでにおいても、区独自の三層制の地域行政制度を初めさまざまな領域において独自の取り組みを展開し、区民と協働してまちづくりを進めて、地方自治をリードしてまいりました。今後もこれまでの蓄積や経験を生かしながら、さらなる区民主権の区政を前進させていかなければならないと考えます。
一方、他の自治体においてもさまざまな取り組みが進められております。まず埼玉県志木市においては、行政パートナーシップが広く知られている例であります。これは、旧来の行政システムから、市民が市の職員と協働することにより、市民と市が一体となった新しい行政システムを目指しているものであります。千葉県市川市においては、少し角度が変わりますけれども、市民活動支援制度、いわゆる一%支援制度と言われているものであります。これは市民の手による地域づくりを進めるために、個人市民税の一%相当額を市民の自主的な活動に対して支援するというものであります。このようなケースは、そのほかの自治体でも、名称はさまざまでありますが、市民参加の会議体等による住民自治の促進の取り組みが多くなってきているようであります。
そこでお伺いいたします。
まず、区民主権の観点から、世田谷区では行政から区民への分権の状況とその課題をどのようにとらえているのかご認識をお聞きしたいと思います。
また、いろいろな自治体が住民主権のまちづくりなどを進めているのは、区にとって刺激となり、またよきライバルでもあり、時にはパートナーになることも考えられます。したがって、このような先進的な自治体とともに研究の場を設けることや、職員はもとより、住民同士の交流を図り、お互いに学び合い、連携して市民自治を前進させるべきと考えますが、この点はいかがでしょうか。
次に、地域主権を実現する新しい地方政府を支える大きな柱の一つは、新しい発想と力量を備えた行動力のある職員であります。私はこれからの世田谷区政、そして自治を担う人材育成の重要性をたびたび主張してまいりました。まだまだ課題はあるようでございます。例えば町に出ると、残念ながら職員の顔が見えないという声も聞くこともありますが、非常に残念であります。区長がよく区民の目線でということをおっしゃっておりますが、現場を知ること、そこに足を踏み入れるということ、市民が行政職員と向き合うことにより、住民と行政とが課題解決に向けて協力できるようにしていくことが大切であると思います。
世田谷区でもさまざまな説明会を実施しているとはいえ、もっと対話する機会をふやす工夫が必要であります。職員の顔が見える町、課題解決に向けて協働できる世田谷の実現を目指し、区民とともに自治を進める力量を備えた職員を育成するよう求めるものですが、ご見解をお聞かせください。
次に、地方主権のもう一つの柱として、言うまでもなく、財政自主権の確立であります。しかし、いわゆる東京富裕論などは、今政府の議論などを聞いておりますと、世田谷にとっては必ずしも住民自治につながるような議論がなされていないことが気になるわけです。先日も、経済同友会が二十三区を東京特別州にするとの政策提言を発表いたしましたが、その内容は主に税収などの議論が中心で、残念ながら、地方自治体の将来像を描くまでに至らなかったという感想を持ちました。しかも、二十三区の税収の一部は、道州間の水平調整財源に充てるというものであります。区側は、当面推移を見守るということですが、この政策提言は、総務省や財務省に正式に提出され、今後、国の議論に一定の影響力を持つものではないかと危惧するものであります。
私は世田谷区にはまだまだいろいろと、質問の中にもありますように、解決をすべき多くの課題があり、そのための財源確保は絶対に譲れません。したがって、このような動きに対して、区民とともに区の立場をしっかりと国に伝えていくような行動を起こすべきではないかと考えるのですが、いかがでしょうか。ご答弁をお願いいたします。
さらに、財源確保のために、区が設置した政策検証委員会について、議会との関係など多くの議論がありますが、みずから財政規律を維持するための新たな努力として、基本姿勢は評価いたします。しかし、問題は、検証の素材の選定の仕方であります。例えば青年の家、池之上青少年会館などは区民ボランティアに支えられた青少年の貴重な体験の場であります。これらの事業は行政として取り組むべき重要な事業だと考えます。
私は、区政の無駄を排除するという名のもとで、子どもたちの貴重な体験の場が失われようとしているのではないかと大変不安になります。
また、がん検診や子どもの医療費は、命と健康にかかわるだけに、区民が安心して暮らすために欠くことのできない施策だと思います。今回の検証委員会における検証の素材はどのような発想、観点で選定したものなのか答弁を求めます。
また、政策検証委員会は、あくまでも本当の無駄を排除し、真に効率的な財政運営をして、区政がよりよく発展することを目指すものでなければなりません。そうでなければ、単なる予算のカットの言いわけになるだけだと思います。
そこで、政策検証委員会の目的の理念を確認し、新しい区政を実現するための仕組みとして、前向きの議論を重ねるよう努力すべきと考えるのですが、区の見解をお聞きしたいと思います。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎金澤 政策経営部長 ご質問に順次お答えをしてまいります。
一点目でございますが、行政から区民への分権の現状とその課題をどうとらえているのかというご質問でございます。
行政から区民への分権の例としてご紹介のあった各自治体の取り組みにつきましては、それぞれの自治体が地域内分権の観点に立って住民自治を拡充してくための一つの手法として取り組まれているものと存じます。区では、区民自治の確立を目指して、平成三年度に全国に先駆けて地方分権の先取りとなる独自の地域行政制度を創設し、出張所、まちづくりセンター単位に身近なまちづくり推進協議会を設置するなどして、協働とコミュニティーの展開に基礎を置いた取り組みを推進してきたところです。
しかしながら、活動の担い手の固定化や高齢化が進んだことから、行政から区民への分権については、新たな人材の育成、確保が重要な課題となっているものと認識しており、今後、これまで地域とのかかわりが見出せなかった区民の方々が地域活動などに参加できる機会を広げていく取り組みなどが必要であると考えております。
次に、住民同士の交流を図り、学び合い、連携して住民自治を前進させるべきというご質問でございます。
区民主体のまちづくりをより一層進めていくには、お話の職員の交流や市民同士の交流など、お互いに学び合い、連携して住民自治を前進させるという視点も必要であると考えております。区では、例えば区民まつりに参加する自治体との交流や「世田谷246ハーフマラソン」招待事業などを通じて自治体間、あるいは市民同士の交流を推進し、お互いに異なる生活文化や生活様式に触れ合い、学び合い、相互理解を深める機会の確保に努めております。
さらに、せたがや自治政策研究所の取り組みとして、先進的な取り組みを実施している自治体の職員や地域活動のリーダー的存在である区民との意見交換を図るなどして、この四月に策定した世田谷区地域活性化に向けた指針への反映を図ったところでございます。
今後とも先進自治体との職員の交流や住民同士の交流などを行いながら、住民自治の前進に努めてまいりたいと考えております。
次に、自治を進める力量を備えた職員の育成をというご質問でございます。
区民とともに自治を進める力量を備えた職員の育成でございますが、区では、地区まちづくり担当職員制度などを通じて、若手職員を出張所、まちづくりセンターの活動に参加させるなどして、区民との積極的な交流や協働作業を図り、区民とともに行動できる職員の育成に努めております。
さらに、区民と積極的に意見を交わすことができる職員の育成に向けて、区民と考えるまちづくり条例フォーラムやNPOとの協働促進に向けた職員研修、NPO提案型協働事業などの取り組みも進めてきております。
今後ともこうした取り組みの推進を図ることを基本に、区民と協働して課題解決に取り組む経験を積み重ねることで、区民から信頼できる自治の推進を担うことができる人材育成を図ってまいりたいと考えております。
次に、財政自主権の確立についてご答弁申し上げます。
お話のとおり、地域主権の実現に向けましては、自治体の財政基盤を拡充することが大前提であると認識しており、これまで区は、都区財政調整制度に関する世田谷独自の改革試案を作成し、対外的にも情報発信に取り組むとともに、特別区長会では東京富裕論への反論などを行ってきたところです。特別区の歳入の一部を全国的な水平調整財源とすると、経済同友会の提言につきましては、東京一極集中を是正しようとする余り、東京の持つ高い国際競争力を抑制し、日本経済全体の成長を阻害するものであってはならないという考え方に立っており、専ら経済団体の立場で提言されたものと受けとめております。
しかしながら、地域主権、地方財政のあり方の論議につきましては、地方自治の本旨に基づく住民自治、団体自治の拡充の観点に立って、自治体への事務事業の移譲、自治体の行政サービスの提供に関する決定権、裁量権の拡大、これらを支える税財政基盤の確保と多角的に検討していく必要があると認識しております。
今後とも議会はもとより、八十四万区民の皆さんと力を合わせて、また特別区が一体となって国等に働きかけ、真の地域主権改革の実現に努めてまいりたいと考えております。
次に、政策検証委員会につきまして、素材はどのような発想で選定したのかと、それから前向きの議論をということについてご答弁をさせていただきます。
政策検証委員会は、平成二十三年度予算編成に向けて、また区政の中長期的な課題に対応するため、外部の目から区の施策事業を検証していただくものです。検証の視点として、行政と民間の役割分担、サービス提供のあり方、受益と負担の三点をご決定いただいております。ご指摘のありました青年の家等の生涯学習やがん検診、子ども医療費助成などの健康づくり施策、外郭団体などの検証素材は、これらの検証の視点を議論する手がかりとして、区民や委員にわかりやすい代表的、典型的な事業としてお示しし、第一回の委員会でご決定いただいたものです。委員会では、素材事業の検証を行いながら、それぞれの検証の視点に立ち返って議論していただき、より効率的、効果的な施策の実践に向けた考え方をご提言していただきたいと思っております。
ご提言を踏まえた方針に沿って、全庁各部が改めてみずから施策を点検し、来年度予算に反映できるもの、中長期の課題などに整理し、議会のご意見等をいただきながら、区長に総合的な判断を仰ぎ、着実に進めてまいります。
また、前向きな議論を重ねるべきとのご指摘でございますが、委員の皆様には、区民の目線や行政施策推進の専門的な見地から忌憚のないご意見をいただき、率直なご議論いただけるよう、私どもとしても努めてまいります。
以上でございます。
◆三十六番(唐沢としみ 議員) 大変厳しい時代で、いろんな課題にこたえるのも大変だと思います。今回の政策検証委員会を設置し、財源の確保や効率的な行政運営を目指すわけですが、今後、区長が委員会からの提言を受けて、行財政改革を進めていくわけですけれども、あくまでも区民の真の暮らしを守るという、健康を守るという、そういう視点から重要な事業については削ることなく、やっぱり打ち切ったりすることのないように、慎重にその選択には努めていただくことを要望して、将来を見据えて積極的に……。
以上で終わります。

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