議会報告

唐沢としみの発言

[ 平成21年 12月 定例会−11月26日-02号 ]

◆三十六番(唐沢としみ 議員) 質問通告に基づき、順次質問をしていきます。
我が国の経済情勢は、やや好転の兆しが見え始めたと言われているものの、区の財政状況は、地方財政の取り組みなどからも、依然として深刻な状態が続くものと考えられます。したがって、今後、国と同様、不要不急と判断された事業は廃止や見送りといった困難な判断を迫られる場合も数多く出てくると思います。
そこで、私が重要と考える点は、こうした困難な判断を要するときこそ、区民の力を最大限発揮するような工夫が大切だと思うのであります。
私はこれまで、区民と行政が区の将来像を共有し、目指すべき姿を明確にした上で区政を展開するべきであると繰り返し申し上げてまいりました。区民が区政の現状を広く知るとともに、行政が区民の暮らしや町の現況、課題をしっかりと認識し、その共通理解の上に立って、政策や施策の優先順位、緊急性をともに判断していけば、厳しい状況の中で、たとえ予算の削減をしなければならない場合であっても、行政内部だけで決めるより、はるかに区民の理解を得られやすく、そして区民ニーズに即した予算編成が実現すると思います。
こうした視点から、順次質問いたします。
まず、地域の将来像についてお伺いいたします。
区は、実施計画に掲げる「区民が創るまち」を実現するために、地域の活性化に向けた指針の策定を検討しております。この一環として、十月三十一日に、昨年に引き続き二回目の「地域活性化・地域の絆シンポジウム」が開かれました。学識経験者や町会・自治会を初め、地域で活動を展開している区民の方々も参加し、さまざまな意見交換が行われたと聞いております。
そこでまず、指針の検討の中で、このような活動を通し、地域の将来像についてどのような方向を見込んでいるでしょうか。中間報告ではありますけれども、現段階でのご認識をお伺いいたします。
次に、こうした活動から得られた成果をどのように区民の中に広げ、そして実際の政策に生かしていくのでしょうか、伺います。
検討の結果が区民と共有され、区政が発展する原動力となってこそ、時間と経費をかけた検討が生きてきます。特にこのような財政が厳しいときこそ、それぞれの事業の中で、たとえ区に十分なお金がなくても、区民とともに何とかするという方向性を導き出すことも、区の将来像を描く場合の大切な要素であると思います。財政危機というピンチをチャンスに変える発想が必要であります。
そこで、地域の活性化の検討から導き出された結論を、一つでも二つでもいいのですが、二十二年度の予算編成に生かしてほしいと考えるのですが、区の見解を求めます。
次に、ハード面のまちづくりの将来像についてお伺いいたします。
まず二子玉川再開発事業に関してですが、先日、これから事業着手というU―a街区を中心テーマとした住民のワークショップが開催されました。専門家を交えて、実際の計画とは異なるプランについてもいろいろ議論されました。残念に思うことは、これだけの大きな事業であるにもかかわらず、事前に区民の間に将来像が十分共有されていなかったという点であります。さまざまな意見が多い大規模な再開発事業ですから、すべての区民の意見が一致することは難しいと思いますが、少なくとも工事の直前になっても、どのような町にしていくのか、その姿が区民の間に共有されていないという状況は避けるべきだったでしょう。
大きな財政負担となる事業ですから、求められたら情報公開をすればいいというのではなくて、積極的に区民に事業を周知し、区民の共通理解を築いておくことが予算配分の前提になると考えます。区の見解をお伺いいたします。
一方、鉄道に関してですが、小田急線の上部利用の中間まとめ、あるいは駅前広場の素案や駅舎デザイン案、さらには京王線に関しては、二線が高架で、二線が地下化の都市計画の変更案が発表となり、沿線住民を対象に順次説明会が開催されました。それぞれ今後議論が深まっていくと考えますが、特に駅周辺のまちづくりに関しては、区民と十分共通理解を築きながら進めてほしいと思います。
現段階で一つ気になる点があります。それは、駅周辺のまちづくり事業には国のまちづくり交付金の活用が多いと聞いておりますが、国の事業仕分けで、このまちづくり交付金の制度が変わると報じられております。将来の財源措置の変更が計画にどのような影響を及ぼすのか大変気になります。現段階での区の見解をお伺いいたします。
万一、区の計画に影響を及ぼす場合には、単に国の都合でというのではなく、早目に区民に率直に情報を示し、一緒になって対応策を考えるよう求めておきます。
また、奥沢地域のまちづくりについてです。
目蒲線の急行運転に伴い、奥沢地域の踏切は開かずの踏切になっています。主要な道路は区道、都道に分かれ、整備も十分ではありません。災害時には消防車や救急車などの活動にも支障を来すおそれがあります。小田急線や京王線と同様、この地域にも目を向け、拠点出張所へのアクセス、あるいはまた駅前南側広場の整備を含め、まちづくりを促進してほしいことを強く要望しておきます。
次に、家庭教育について伺います。
昨今の厳しい経済状況が家庭生活を圧迫しています。会社勤めの方は、倒産やリストラなど職を失う恐怖を感じながら、厳しいノルマやサービス残業に追われ、事業主の方は、売り上げの減少、資金繰りなど、気が休まることがないとこぼしていました。これまで専業主婦だった女性もパートに出なければ生活が成り立ちません。保育需要の急増が、これらの事実を何よりも物語っております。
困ったときに頼りになる身近な家族や親戚もなく、ご近所のおつき合いもほとんどありません。これでは、高齢者の介護、子どもの教育、まして地域コミュニティーへの貢献などの余裕があるはずはありません。しかし、家庭や地域とのつながりは生きていく上でなくてはならないものであります。私は、今こそ家庭への総合的な支援が必要と考えております。
教育委員会は昨年度、家庭教育支援推進区民会議を組織し、毎年夏に開催する教育フォーラムにあわせて区民大会を開催しております。私はすばらしい取り組みだと高く評価しますが、その後の展開がいま一つ明らかになっていないような気がいたします。家庭が厳しい状況に置かれている中、家庭に対して単に教育のあり方を指示するのではなく、温かく家庭を支援するような取り組みを充実するべきと考えます。
私は単なる予算措置を求めているのではありません。家庭という重要な問題こそ、区民とともに粘り強く知恵を出し合って解決策を探ってほしいと思います。
教育委員会のご所見をお伺いし、そして、以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎板垣 政策経営部長 私から、三点についてお答えさせていただきます。
まず最初に、地域の活性化に向けた指針について、現段階での認識を伺うとのことでございました。
世田谷区におきましては、これまでも区民主体のまちづくりや支えあい活動などが活発に行われ、地域の身近な課題解決に大きな役割を果たしてきました。この流れを将来にわたりましてさらに高めていくことが、区政の重要な課題と考えております。
また、急速な少子・高齢化の進展など、地域社会が大きく変容する中で、高齢者や子育て支援、環境問題への取り組みなど、さまざまな区民生活の課題を解決するには、参加協働のまちづくりの推進が不可欠であると認識しております。
こうした観点のもと、現在、町会・自治会や商店街等の現況、各種活動団体の広がりなどを改めてとらえ直しまして、その基盤である地域のきずなの重要性に着目しながら、仮称地域活性化に向けた指針を策定しているところでございます。
今後につきましては、この指針を一つの契機としまして、議会はもとより、広く区民との議論を積み重ねながら、世田谷区基本計画に掲げます将来目標の一つであります「区民が創るまち」の実現を目指し、区民自治と協働のさらなる展開を図っていきたいと考えております。
次に、二十二年度予算編成に生かせとのことでございました。
策定中の仮称地域活性化に向けた指針につきましては、区民自治と協働を基調とした地域の問題解決に向けまして、今後の方向性につきまして、区民、活動団体、行政など、地域にかかわる各主体間で共有するために、区の考え方をお示しするものでございます。
指針検討段階での論点を予算編成に生かしたらどうかとのお話でございますが、特にまちづくりの最前線でありますまちづくりセンターは地域活性化の一翼を担う行政機関でございますので、所管課とも連携し、住民や各種団体との連携強化などにつきまして、指針の中に反映すべく検討を進めているところでございます。
いずれにいたしましても、区職員が指針の趣旨を理解し、既存の事業にその趣旨である区民や活動団体との参加協働といった観点を盛り込むなどの工夫を加えまして実施していくことが重要であると考えているところでございます。
最後に、まちづくりにつきまして、区民の共通理解を築いておくことが予算配分の前提になると考えるが、いかがかとのことでございました。
区では、予算編成に臨むに当たりまして、区長の指示のもと、庁内に基本方針を示しており、二十二年度予算編成に当たりましても、区民の目線から成果の向上を図る旨、周知を行ってございます。
各部におきましては、この予算編成方針に加えまして、区の基本計画を初めとする政策的方針のもとに、各事業に対する区民ニーズや意見を踏まえ予算要求を行い、その上で必要な施策に財源を配分することが予算編成の過程であると認識しております。
事業経費の予算計上に当たりましては、実現に向けての環境が整うことが大切でございまして、そのため、ご指摘にある区民への十分な周知や共通理解の醸成を図ることが重要であると考えております。
以上でございます。
◎真野 生活拠点整備担当部長 今行われている国の事業仕分けがまちづくりなどの計画に悪影響を及ぼすことはないか、現段階での区の見解をというご質問にお答えします。
現在、行政刷新会議ワーキンググループにおきまして国の事業仕分けが行われております。先般行われました、まちづくり交付金などの補助事業を含むまちづくり関連事業全般の事業仕分けの評価につきましては、各自治体、民間の判断に任せるとされております。評価自体は具体的な予算へ言及するものではございませんでしたが、評価者からは、地方自治体への財源の移譲や制度見直しの必要性などの意見が出されております。
区といたしましては、今後のまちづくり事業に係る財源としての補助金に何らかの影響があるのではないかと思っております。
事業仕分けによりましてすべてが決まるものではないため、今後の状況は不透明ではございますので、これからの国の動向を注視しながら、状況に応じて迅速に対応できるような課題整理などに努めてまいります。
以上です。
◎萩原 教育政策部長 家庭教育への支援についてお答えいたします。
家庭は教育の原点であり、子どもたちが多くのことを学び成長する場として極めて重要なものと認識しております。お話しの家庭教育支援推進区民会議は、子どもの教育や健全育成にかかわる団体や、町会・自治会、PTA、学校の代表者、産業界等により組織されたもので、地域が一体となって家庭教育の重要性を認識し、その支援を推進する基盤がつくられたものと考えております。
その後の取り組みでございますが、昨年の区民大会の成果を踏まえ、まず区立小学校校長会とPTAの連携により、家庭教育に関するリーフレットを作成していただき、各学校に配布するとともに、使い方や保護者の感想も紹介して、各学校単位で開催される家庭教育学級等で活用いただいております。
また、区政モニターへのアンケート調査や、区民、事業者への聞き取り調査により、家庭教育や学校への支援に関するニーズの把握を行うとともに、担当職員を他自治体に派遣して、取り組み事例の情報収集にも努めているところです。
今後、庁内関係所管で構成する連絡会を活用いたしまして、相互の情報提供、意見交換を通じて、家庭教育支援の視点からの事業推進を図るとともに、家庭の自主性を尊重しつつ、学校の教育活動やPTA活動等により、家庭教育に関する情報や学習機会の提供等の支援が広く保護者に浸透し、家庭での行動の促進につながるよう、今後とも継続的に取り組みを進めてまいります。
以上でございます。
◆三十六番(唐沢としみ 議員) それぞれのところから答弁をいただいたわけですが、なかなか行政のほうで地域の将来像とか世田谷のあるべき姿というのは見えないというところがあるわけです。大変厳しい財政状況ですので、これからは地域にいろいろなことで知ってもらう、それでみんなが力を出して、やっぱり持っている力や知恵を出しながら区政にかかわっていく、そういうまちづくりが、まさに私はチャンスが、これを契機にしていくという、そういう時代であると思います。
そういう意味からも、ぜひとも、できるだけ地域の課題を出し合いながら、みんなでそれを論議しながら、自分たちで決めて計画を練っていく。そういうことをセンターなどに、今度はどんどんと環境づくりに努めていきたい。何か行政のほうがちょっとおくれているような感じがいたしますので、その体制づくりをしてほしいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
家庭教育については、ぜひともリーフレットをさらに広めて、みんなの運動としていただきたい。成果を期待いたします。
以上です。

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