議会報告

唐沢としみの発言

[ 平成21年  9月 定例会−09月16日-02号 ]

◆三十六番(唐沢としみ 議員) 質問通告に基づき、順次質問いたします。
まず、これからの自治体経営について質問いたします。
歴史的な総選挙の結果によって、日本の政権が交代しました。新たな政権は、地方主権をマニフェストに明記しており、これからの市民主体の分権社会の実現に大いに期待するものであります。その一方、世田谷区政も新しい時代の世田谷を、責任と実行力を持って切り開いていける力量を持った自治体となるように、一層努力を重ねていかなければなりません。
しかし、現実は厳しい社会経済状況が続くことは明らかであります。団塊の世代のベテラン職員の大量退職、多くの公共施設の建てかえなどの整備、世界同時不況に端を発した経済状況など、区政は人、物、金のすべての面で厳しい状況の中にあります。
このような状況の中で、分権社会をきちんと担っていく自治体経営を進めるためには、これまでの発想にとらわれることなく、まず職員一人一人の意識改革を徹底し、その上で区民の意識改革をも促していく努力が不可欠です。
そこでまず、これからの新しい自治体経営について、職員、さらには区民をも巻き込んだ意識改革に向けて、区はどのように取り組むのか、区のお考えをお伺いいたします。
次に、外郭団体の人づくりについて伺います。
このたび公益法人制度改革関連三法の改正に伴う新法人への移行の対応方針案が示されました。せたがや文化財団を初めとする六つの外郭団体を平成二十三年四月に新しい公益財団に移行するとのことであります。新しい法人においては、理事会と評議員会の役割が明確にされ、新しい評議員には、区議会議員、区職員が対象外とされました。意思決定機関である理事会と監視機関である評議員会が緊張関係を保って、外郭団体の健全で適正な経営を実現していくという観点からは、法の趣旨に沿った適切な運用を期待したいと考えます。しかし、このことによって、各外郭団体は一層の説明責任を果たすことや経営の改善など、自主的な経営責任はさらにその重要性を増すことになります。
そこで伺いたいのは、各外郭団体の人材育成であります。これまででは若い職員も多く、区からの人材派遣もあり、比較的恵まれた面もあるように思います。しかし、新しい法人への移行を控え、いつまでもそのような状況でいられるはずはないと思います。各外郭団体は、区と区民との間でどのような機能を持ち、どのようなサービスを行えばよいのか、どんなスタイルが可能なのかなどを自主的に判断し、実行できる人材を育てなければならないと思います。そして、人材育成には時間をかけて段階的、計画的に行うことが不可欠です。外郭団体の人材育成について、その状況や今後の展望についてお答えを願います。
次に、本庁舎等の整備について伺います。
六月の第二回定例会で私は、区民の知恵と力を生かした庁舎整備について質問いたしました。区の答弁では、庁舎問題は全区民的な課題であるものの、具体的な点については改めて区としてその後の進め方を見定めたいということで、はっきりとした方策は今後の課題であるとの認識が示されました。そして、八月十三日、世田谷区本庁舎等整備審議会から本庁舎等の一部または全部を取り壊し、改築することが必要であるとの答申がなされました。この答申は、公正公平、透明性を担保し、さまざまな知恵や工夫を広く集めるとされ、広範な区民の参加、参画が重要であることが強調されております。私は、そのためには、どのような結論になるにしても、拙速となることのないように、時間をかけて区民に丁寧に説明し、議論を重ねていくことが大切だと考えております。
そこで、改めてお伺いしたいことは、今後、答申の内容の区民周知や意見募集など、区としての意思決定や計画の具体化に向けた取り組みをどのように進めようとしているのか、区のお考えをお伺いいたします。
次に、図書館ビジョンについて二点ほど伺います。
教育ビジョン第二期行動計画に、地域の生涯学習拠点としての図書館の充実が掲げられ、一年余りの検討を経て図書館ビジョンの素案が示されました。今後、区民とともに議論を深め、区民の期待にこたえる新たな取り組みにつながるよう期待しております。
この素案は、図書館法の改正など、国の動きも勘案して検討されたものですが、区の図書館の現状を踏まえた独自の視点も幾つか含まれております。まず一点目には、運営手法やサービスの見直しが強調されている点です。これは私には指定管理者制度の導入が強く意識されているように見えます。私は図書館への指定管理者制度導入をすべて否定するものではありませんが、区民サービスの充実に先駆けて、まず導入ありきで検討が進むとしたら、大いに疑問を感じます。
七月の区民生活委員会で全国的にも有名な青森市の中心市街地再活性化を視察してまいりました。中でも目を引いたのが、アウガという名前の再開発ビルの六階から八階の三フロアに設けられた青森市民図書館でした。駅前に位置し、毎日夜九時まで開館し、児童書、専門書などが幅広くそろえられている上に、オーディオ関係のコーナーも充実しております。さらに、読み聞かせなどさまざまな市民活動のスペースも整備されており、世田谷区にとっても大いに参考になる先駆的な図書館だと感じました。当然市民には大好評で、以前に比べて三倍もの利用者でにぎわっているとのことでした。
これだけ充実したサービスを実現するのには困難なことも多いのだろうと考えて確かめたところ、この図書館はすべて直営でもって、市の職員が工夫を凝らしながら運営をし、そして市民の期待にこたえているとのことでありました。この事例を一つとってみても、これからの図書館運営を考えるときに、何でも外部に任せればうまくいくかのように考えることは間違った発想であると思います。
青森市の職員の頑張りを実際に見てまいりますと、まず最初に、区民サービスの向上を考え、次に、その実現のために最も適した方法を考えるという手順が正しい筋道だと強く実感いたしました。文京区では、図書館運営を指定管理者に委託するに当たり、区民サービスを低下させないためにベテラン職員の継続雇用を指定の条件にしたと聞いております。
まず、今後の図書館運営の充実に向けて、指定管理者制度などに関する区のお考えをお伺いいたします。
二点目は、職員の資質、能力の向上を基本方針の一つに位置づけている点であります。区民ニーズを的確に把握し、さまざまな市民活動、学習活動と同時に、区民とともに課題を解決していくことは、区立図書館に課せられた基本的な使命です。素案では、職員研修の充実の検討とありますが、すぐにでも実施してほしいと思います。少なくとも指定管理者の導入より優先順位が高いと思うのであります。外部に任せる前に、まず区の内部で努力をしていただきたいのですが、お考えをお伺いいたしまして、壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎板垣 政策経営部長 私から二点についてお答えさせていただきます。
最初に、新しい自治体経営に向けた職員の意識改革に向け、区はどのように取り組むかとのことでございました。
お話にありましたように、景気後退による歳入減や団塊世代の大量退職など、区政を取り巻く環境が一層厳しくなる中、区民の生命と財産を守る基本姿勢に立ち、優先課題を着実に推進するため、新しい自治体経営が求められると認識しております。このため、区では職員の創意工夫による現場からの改善を一層推進するため、職員提案や各職場での改善事例を積極的に庁内にPRし、継続した職員の意識改革に取り組んでいるところでございます。また、区民との協働によるまちづくりをさらに推進するため、区政の課題や重点取り組みをわかりやすく広報することによりまして、区民の皆様に区政への関心をより一層高めていただけるように努め、今後とも職員だけでなく、区民を巻き込んだ意識改革を積極的に進めてまいります。
次に、外郭団体の人材育成についてのお話がございました。外郭団体におきます固有職員の人材育成につきましては、人事考課制度の実施や人材育成計画の策定、職員研修の実施等を各団体が改善計画に位置づけ、取り組んでいるところでございます。区といたしましては、団体の運営体制の強化を図るため、区が実施する研修への参加や区への派遣研修の受け入れなどさまざまな機会を提供しておりますが、まずは各外郭団体が団体運営の方向性を定め、決定していくことのできる人材を育てることが、団体の自主自立につながるものと考えております。
指定管理者制度を初め民間活用が進む中、外郭団体は効果的、効率的な団体経営の視点から、経営改善の取り組みを進めておりますので、団体の人材育成の取り組みが着実に進むよう、区は必要な指導、調整を行ってまいります。
以上でございます。
◎峯田 庁舎計画担当部長 本庁舎等の整備について、答申の内容の区民周知や計画の具体化に向けた取り組みをどのように進めるのかという質問にお答え申し上げます。
本庁舎等整備につきましては、その重要性の観点から、平成十六年度から四カ年の調査研究結果を議会にご報告し、区民、団体等を対象にした意識調査や報告会等の動向を踏まえまして、昨年九月には改築の方向で取り組みたいとする「区のおしらせ」特集号を発行するなど、適宜、議会はもとより、区民などに対する広報広聴に努めてまいりました。また、世田谷区本庁舎等整備審議会から提出されました答申書の区民周知に関しましては、既に区のホームページや区政情報センター、情報コーナー、二十七カ所の出張所、まちづくり出張所、また図書館において閲覧していただけるように配備をいたしております。また、九月十五日号の「区のおしらせ」にも答申書が提出されたことを掲載するなど、広く区民周知を図っているところでございます。
本庁舎等整備の取り組みの進め方に関しましては、整備審議会からいただいた答申を尊重し、今後の進め方を検討していく必要があると認識しております。答申でご指摘のあった課題や今後の進め方などについても、あわせて整理、検討してまいります。
以上です。
◎萩原 教育政策部長 図書館ビジョン素案について二点ご質問いただきました。
まず、今後の図書館運営の充実に向けての指定管理者制度などに関する考え方についてお答えいたします。
世田谷区における今後の図書館運営形態としましては、図書館ビジョンの素案の施策の柱の一つである地域特性を生かした図書館の中でお示ししておりますように、非常勤職員を活用した区の直営方式、経堂図書館で導入している一部業務委託、そしてご指摘の指定管理者制度等による運営が想定されます。区教育委員会としましては、これらはそれぞれに利点や課題があるものと認識しており、庁内の連携を図りながら、素案の中でも記しておりますように、多角的に検討した上で、順次それぞれの地域図書館の特性に応じた運営体制を導入してまいりたいと考えております。
次に、外部に頼る前に、まず区内部で努力するべきとのお尋ねにお答えいたします。
職員の資質、能力の向上につきましては、図書館サービスを展開する中でも非常に重要な要素であると認識しております。そのため、世田谷区図書館ビジョン素案の中で、ご指摘にあった職員の資質、能力向上の推進の中項目を立て、研修等への職員の積極的な参加とその取り組みの方向性を示しております。さらに、可能なところから早目に取り組む事例として、外部機関主催の新任館長研修に、地域館長のほか、中央図書館長自身、率先して参加したほか、今月には地域館の館長等により、先進都市の図書館を視察し、先駆的取り組みを実地で学んでまいりました。このほか、接遇の職場内研修を職員全員を対象として実施する予定もあり、各種研修への参加者を拡大させ、図書館ビジョン策定に先行して、職員の資質、能力の向上に取り組んでいるところです。引き続き、職員の技量向上を常に意識し、積極的に取り組んでまいります。
以上でございます。
◆三十六番(唐沢としみ 議員) それぞれの方からご答弁いただきましてありがとうございました。引き続き、決算委員会のほうで話を進めて、審議にかかわっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

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