議会報告

唐沢としみの発言

[ 平成21年  3月 定例会−02月25日-02号 ]

◆三十六番(唐沢としみ 議員) 私は、質問通告に基づき、順次質問してまいります。
まず、実施計画の推進について質問いたします。
このたび二十一年度当初予算案と実施計画の推進状況の案が示されました。当初予算案は、一般会計が二十年度に比べて二・七%増の二千四百十七億円となり、その理由として、公園や道路の整備、学校改築関連の経費の増などが挙げられています。また、歳入については、特別区交付金が七十五億円も減少すると見込むなど、百年に一度と言われる経済危機の深刻な影響が早くも現実のものとなっております。
一方、実施計画に目を移しますと、これまでの堅調な財政環境が背景となって、各事業とも順調に実績を伸ばしていることがうかがわれます。例えば交通バリアフリーの推進、住宅サービスの展開、商店街の振興、特別支援教育など、どの領域の計画も新規、拡充、追加などの項目が目立っております。区民サービスが質、量ともに充実し、「安全で安心なまち」など基本計画が掲げる区の将来像に向け、着実な歩みを進めたことは、率直に評価できると考えます。
しかし、将来に目を向けますと、とても楽観できるものではありません。かつて経験したことのないような経済状況の中で、これまでの財政状況を前提につくられた実施計画がこのまま続けられるとは考えられません。区も実施計画の財政計画の中で、今後の収支見込みを大幅に変更する必要が生じた場合、実施計画の取り組みについても見直しを行うと述べております。
私は、決して単に悲観的になっているわけではありませんが、しかし、最悪の事態をあらかじめ想定して、苦しい中でもあらゆる手段を講じてベストを尽くすことこそが、区長が言うところの予防型行政であると思います。
そこでまず、今後三年間の実施計画事業期間中の財政状況について、改めてどのように認識しているのかお答えください。
もし仮に実施計画を見直すことになった場合、言うまでもなく、実施計画の事業が、新規、拡充、追加から休止、縮小、延期に変わるとなると、大きな痛みを伴うものと言わざるを得ません。
そこで、私が申し上げたいのは、そんなときこそ区民とともに考える姿勢を貫くことが不可欠だということであります。地域の中で区民と情報を共有し、キャッチボールを繰り返し、議論を重ねながら解決策を見出し、区民の力を最大限に活用して、少ない予算でも効果を上げていく、これこそが区政が掲げる、区民がつくる町の実現だと考えます。
そこで伺います。今後の実施計画の推進について、区民の参加、参画をどのように確保していくのかお考えをお聞かせください。
次に、組織のあり方について質問します。
二十一年度の組織改正案は、法改正などにより、緊急に必要な場合やこれまでの組織改正の見直しなど、比較的小規模なものとなっています。実際の組織改正の内容を見ますと、直面する課題に対応するための対症療法型の改正が目立つ気がいたします。もちろん国が強引に進めている定額給付金に対応することなど、やむを得ない事情もわかりますが、財政状況が激変し、区政の根幹も揺るぎかねない状況も予測される中で、もっと積極的に組織のあり方を根本から考えるときが来ているのではないでしょうか。
私はお金がないときこそ、縦割りではなく、柔軟に職員同士が知恵を出し合うような行政運営を目指すべきだと考えます。一方で、定員削減が進んだ結果、職場に余裕がなくなり、職員が日々の業務に追われるばかりで、区政の将来を見越して知恵を出す時間もなくなっております。このような状況にベテラン職員の退職が追い打ちをかけております。今こそ厳しい状況を認識し、将来を見据えてどんな難問についても立ち向かっていく、そのような元気さが組織の中であってほしいと思いますが、組織のあり方の考え方についてお伺いをいたします。
これからの組織のあり方について区の認識をお聞かせください。
次に、出張所、まちづくり出張所のあり方について質問いたします。
今定例会にはまちづくり出張所の名称変更の条例改正が提案されております。この条例改正に当たり、まちづくり出張所の名称のあり方に関する報告が出されました。
そこでお尋ねをいたします。さきの定例会でも私は、人が集まるような、渦ができるような、また寄り添えるようなステーション的な情報発信の場として、知恵と力がわくような、そういう生き生きとした出張所改革のために努めていただきたいということを強く要望してまいりました。
地域の力、市民の力を区政に生かしていくためにも、地区のネットワーク化の拠点として、地区のさまざまな活動や地区社会福祉協議会との連携、あるいはあんしんすこやかセンターが出張所、まちづくり出張所の庁舎の中に配置されるとか、区民の困り事や相談はまずまちづくりセンターに行けばよいというように、区民の力が結集し、行政や活動団体と協働できる場所となるでしょうか。この改革によりどのように機能が拡大し強化されるのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
次に、都市農地の保全について質問いたします。
言うまでもなく、農地の緑は、文化と並んで世田谷の魅力であるばかりでなく、災害時の避難の場所や雨水の浸透機能など、安全安心の上からもなくてはならない存在となっています。また、みどり33を実現していく上でも、農地の保全はますます重要になっていると思います。
そこで、何点かお伺いいたします。
まず、相続対策について伺います。区内の農家の多くは農業を続けたいという気持ちを強く持っております。ところが、高齢化が進み、やがては相続が発生し、税金対策でやむを得ず先祖伝来の農地を手放すケースが多いのではないでしょうか。そこで、担い手の確保が農地保全のかぎとなるように思います。税法上の問題など、さまざまな課題はあると思いますが、農業の担い手の確保や相続対策に関してどのような対応策を考えておられるのか。現段階での状況をお答えください。
また、農地の保全には、近隣を初めとして多くの区民の理解と参加も必要だと考えます。農家は、乾燥した時期の土ぼこりや必要最低限の消毒にも気を使わないといけないとも聞いております。都市の中で農地が果たす多様な機能を広く区民に周知していく努力が必要です。また、人手も足りなくなってきたときに、もっと多くの区民が農業を支援することも求められます。
区民全体で支える農地保全についての区のお考え、また、地域の状況、実情に応じた農業支援事業等も大切です。区のお考えをお伺いいたします。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔森下副区長登壇〕
◎森下 副区長 区民全体で支える農地の保全についてお答えいたします。
農地は、安全安心で新鮮な農産物を提供するだけでなく、潤いのある住環境や災害時の防災拠点の提供など、さまざまな公共的な役割を果たしており、お話のとおり、その保全につきましては、区民全体で支えることが必要であると考えております。
区としましては、農業を区内産業の重要な柱と位置づけ、農業基盤を強化するとともに、区民の方々が身近な商店街で安全安心で新鮮な区内産農産物を購入できる仕組みをつくることなどにより、区内の貴重な緑の供給源である農地を保全していきたいと考えております。
さらに、熊本区長みずからが農地のある都内十区に呼びかけられ、農業の振興、農地の保全に向けて協力して取り組むこととなりました。農地のない区の区民に対しても、都市農地、農業のPR活動に取り組み、農地が二十三区の共有財産であることをPRしていく予定でございます。
以上でございます。
◎板垣 政策経営部長 私から四点についてお答えさせていただきます。
最初に、今後三年間の実施計画事業期間中の財政状況についてどのように認識しているのかということでございます。
実施計画期間であります平成二十三年度までの財政状況につきましては、国の経済見通し等を踏まえまして、三カ年財政見通しとしてお示しさせていただいております。具体的には、歳入の中心となります特別区民税は、平成二十二年度にはマイナスに転じるものと予測しており、また、特別区交付金は、二十一年度当初予算で前年度比マイナス七十五億円と大幅な減を見込み、翌二十二年度以降も低迷が続くものと予測しております。したがいまして、区全体の財政規模は二十二、二十三年度と連続してマイナスの見込みであり、当面は大変厳しい状況が続くものと認識しております。
このような見通しの中、実施計画事業費につきましては、一定の範囲で起債や基金の活用を想定しつつ、計画的な事業執行を予定しているところでございますが、一方で、二十一年度早々には、行政評価の手法を通じて実施計画の点検等に取り組みたいと考えております。
次に、区民の参加、参画を確保して実施計画の推進、見直しを図るべきということでございました。
少子高齢化の急速な進展の中、多様化する地域の課題を解決していくためには、区民による自主的なまちづくりが不可欠であり、幅広い区民の参加、参画の促進が大切であると認識しております。
今般の経済状況にかんがみ、現在の実施計画等につきまして、先ほど申しましたように、点検することを予定しておりますが、その際には、行政評価を依頼する外部評価委員会に区民の方にも委員として参加していただくことを予定しているところでございます。
次に、これからの組織のあり方についてのお尋ねでございました。
今般の組織改正につきましては、国の法改正等や区政への重点課題、緊急課題に対応することを主眼に置いて行うものでございます。昨今の区政課題につきましては、この間、他会派からもご指摘いただいておりますように、緊急経済総合対策や公共施設整備方針による取り組みなど、庁内横断的な観点に立った解決策を講じなければならないことが多くなってきております。
したがいまして、お話もございましたが、課題解決に当たりましては、部や課の横断的連携に加え、関係所管で構成するプロジェクト方式など、組織を超えた横のつながりにより、多角的な視点で知恵を出し合うことが非常に重要であると認識しております。
団塊の世代の大量退職を迎えまして、今まで以上に人材の育成が必要となることはもとより、それぞれの職務における現場主義の徹底、区民との意見交換、庁内情報の共有化などを通じまして、活力ある組織を目指してまいりたいと考えております。
最後に、出張所、まちづくり出張所のあり方につきまして、機能の拡充、強化をということでございました。
出張所、まちづくり出張所につきましては、介護予防などさまざまな区民の相談を受ける最前線の窓口として、地区まちづくりの拠点としての役割に一層期待が高まっていると認識しております。区では、今後の地区まちづくりの充実に向け、地域の絆再生支援事業等による区民の主体的な活動の支援や、災害時要援護者名簿の出張所、まちづくり出張所への配備の充実などに取り組んでおります。また、施設の改築等に合わせまして、出張所、まちづくり出張所とあんしんすこやかセンターとの一体的整備に順次対応し、福祉のまちづくりを強化してまいります。
このたびまちづくり出張所の新たな名称としてまちづくりセンターを選定し、今定例会に関係条例の改正を提案しておりますが、まちづくりセンターが地区まちづくりの核として、その機能を十分に果たしていくため、今後とも区議会等からのご意見、ご提案等を踏まえ、地区まちづくり支援の充実を図ってまいります。
以上でございます。
◎田中 産業政策部長 都市農地保全について、農業の担い手の確保、あるいは相続対策についてのご質問をいただきました。
相続税制度は、地価の高い都市農家にとって大きな税負担であり、農地が失われる大きな要因の一つであります。そのような中で、相続税、納税猶予制度は、農業継承と都市農地の保全にとって大きな役割を持っております。しかし、この納税猶予制度は、農家の方々に一生涯にわたって営農活動を求めるため、その心理的負担から制度を利用せず、農地を手放すことも起きてございます。
昨年、都市農地の保全に取り組む都内の三十六自治体が協力して、都市農地保全推進自治体協議会を立ち上げました。その具体的活動として、制度の見直しなどについて国に出向き、熊本区長も副会長として要望書を提出されました。今後とも他自治体や議会とも協力を得ながら、制度見直しについて努力していくことにいたします。
さらに、農家の高齢化や後継者不足などに伴い、農作業の担い手不足から農業が継続できない状況もございます。区では、このような高齢化などに伴い、農作業への支援を希望する農家に対しては、農業の知識と経験を身につけた区民の方々による農業サポーターなどさまざまな方策をとることにいたします。
次に、地域の状況、実情に応じた農業支援策についてご質問いただきました。
来年度から区では、農業振興計画の大きな柱として認定農業者制度を創設いたします。これは、農家がみずからの農業経営の改善計画を策定し、区が認定するものです。経営改善計画を策定するに当たっては、地域の状況や実情を熟知している農協や都の普及員が支援することとし、それぞれの農家の意欲や意向が的確に反映される計画づくりに努めます。
認定農業者となられた農家に対しては、改善計画を確実に具体化していくためのさまざまな支援策を地域の状況、実情に応じた農業支援策として講じてまいります。これまでも農家の方々の意向に応じた支援を行ってまいりましたが、今後はこれに加えまして、経営改善目標を自主的に定められ、それに向かって努力される認定農業者の方々の活動を積極的に支援していきたいと考えております。
以上です。
◆三十六番(唐沢としみ 議員) 実施計画の推進への見直しに向けての参加については、日ごろから区民の参加を、幅広い参加を意識しながら、事業の推進に向けて情報公開をしていただきたいことを強く要望しておきます。
もう一つ、出張所については、区の進めております構想が区民の求めるような出張所改革、出張所であるかというところの像が重ならないというイメージが出てこないわけですね。これからどのように目指す方向を一致させるような形のビジョンをわからせるか、その辺の姿勢についてお伺いします。

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